ダマスカス鋼

インドのウーツ鋼が起源とされていますが、主にシリアのダマスカスで刀剣に加工されたことから一般的にはダマスカス鋼として広く知られています。

鋼材の特徴を一言でいえば、ダマスカススチールは積層された鋼材のことを言います。そのままの断面は木材の年輪のように積層された枚数だけの直線が現れます。ピボットを付けたり曲げたり板に変化を持たせた後、斜めにカットをすると表面に色々な模様が現れます。板に変化を付ける方法により現れる千差万別の模様がダマスカス鋼の最大の魅力です。

生産面でもいろいろなメリットがあります。口金とブレードの溶接部分が高級刃物ほど折れやすいのですが、積層鋼は硬鋼軟鋼を交互に貼り合わせるため溶接の境で折れることがありません。

また、VG10のような鋼硬度の材料を芯金に浸かっても軟鋼が貼り合わせてあるのでブレードの研削が比較的楽にできます。ただ唯一の弱点は同じ板厚の場合に曲がりやすいこととバネ性がないことです。

V金１０号（VG-10）

鉄分：主成分。

カーボン：刃物鋼にとっての主成分で含有量が多いと硬度が高まり、より固い材質になります。

モリブデナム：耐性があり刃物鋼の持つ強さを長持ちさせます。
コバルト：強度を増すことと鉄より錆びにくい性質があります。
クローム：錆びにくい性質があり、含有量が11.5～13％の材質は、ステンレスになります。
バナディウム：硬化性を向上させる成分で、頑丈で鋭い刃にする性質があります。

特徴：いろいろな刃物にマッチした適応鋼種を選ぶ場合、要求される性能も多様化してきました。しかし、その基本となる条件は現在に至っても何ら変わることはありません。

V金-10号の高級ステンレス刃物鋼は、厳選された純度の高い原料鉄を用い、最高の製鋼技術で作られ、靭り強く、加工性、鍛造性にすぐれています。

しかも有害不純物に起因する腐食性もなく、また耐摩耗性にすぐれた諸性質は弊社の「V鋼」刃物鋼シリーズの一大特徴となっています。

Component Standard　代表成分　VG-10 Steel

Component Standard　代表成分　AUS-8